キヤノンは世界に先駆け電子写真技術とレーザー技術の一体化によってレーザービームプリンターを開発。きわめて静かで、しかも速くて美しい印字を実現しました。技術開発においても、さまざまな角度からユーザーのニーズをとらえ、速やかに答えてきました。キヤノンのLBPは、オフィス現場で実践力を備えたページプリンターとして、世界でも確固たる地位を築いています。
感光ドラム表面にマイナスの静電気を帯びさせます。
光で感光ドラムに画像を描きます。レーザー光の照射部分は静電気がなくなります。
トナーを感光ドラムに近づけると、静電気のない部分にだけトナーが付着します。
感光ドラムを用紙に密着させ、用紙裏側からプラス電荷を与えて、トナーを用紙に移します。
トナーが転写された用紙に熱と圧力を加えて、トナーを用紙に定着させます。
レーザープリンター、オフィス向け複合機、デジタルプロダクションプリンティングシステムなどは、同じ原理でプリントを行っています。
※ カラー製品のほとんどは、感光ドラムから中間転写ベルトにトナーを移し、それを用紙に移す方式になっています。
レーザープリンター・複合機のカラー画像は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナー像を感光ドラム上に作像、中間転写ベルト上に順次1次転写し、4色重ね合わせて形成されます。この1次転写の際、従来は転写ローラーをプラス帯電させることで、マイナス帯電しているトナーをベルト上に転移させていました。
新しく開発された「パッド転写高画質化」技術では、中間転写ベルトの1次転写部材にパッドと摩擦抵抗が少ない特殊な導電性シートを採用しています。従来の回転体ローラーでは、はく離放電などによるトナーの飛び散り現象を抑えるため、部材追加やローラーを大きくする必要がありました。
この技術では導電性のシートを採用する事で部材追加などの必要がなくなり、小さくシンプルな構成を実現しました。このシートにプラス電圧をかけることでマイナスを帯びたトナーを中間転写ベルトに引き寄せ、転写時のトナーの飛び散りなどがなくなり、シャープな文字印刷を実現しました。このシートの電気抵抗を小さくすることで転写のための電圧も、従来の約1/10に抑えられ、機器全体の小型化と低コスト化に貢献しています。